欧州遠征録【6】遠すぎたドレスデン
最近とっても忙しいらべるです。忙しいのかな。わかんねえや(へらへら〜)みなさんはお元気ですか。
この欧州遠征録も思えばすごく久々にはなってしまったのだが、こうやってなんとか暇を見つけて執筆することが叶いましたので。。。ほんとは書いている場合じゃないんだが勉強も詰め込みすぎると自分でもわけわかんなくなっちまうんで息抜きは大事でしょうね〜と、これ書きながら噛み締めている。現実逃避だ。
文章力は使わないと劣化しちまうんで使うべき時に使わなきゃな。
そんじゃ〜前回の続きからいきましょう。
これまでのあらすじ。
みなさん覚えてるかしら?筆者と先輩のT氏はパリから電車でドイツ南部に到達してロマンチック街道を南からじっくりゆっくり…(と、本来ならそうなる予定だったのだが)
しかしこの旅はとても酷いもんで、かつかつハードスケシュールで北上していくことになってしまうのだ。旅行計画のずさんさはこの際ふれないでくれ。
基本的に旅なんて行き当たりばったりが基本である。
さて前回はそんな素敵で可愛らしいロマンチック街道の中間地点であり、メインディッシュともいうべき中世都市ローテンブルクを旅したお話をご紹介しましたが、それもいよいよおさらばして、我々はまだまだ続くロマンチック街道を惜しみながらも脱して、舵を大きく切り、ドイツの東へと向かうのであった。
ロマンチック街道の中間都市ヴュルツブルクを通り過ぎ、フルダという街の駅に到着。さぁここがドイツを東に向かうか西に向かうかの分岐点の街になる。
ところが、ここから東に位置する本日の最終目的地ドレスデンに至るまでの旅は、当初の予定を狂わすほどとんでもない苦難を伴うものであった。
①“ドレスデン”行きのチケットを買わせておくれ!!!
時刻はとうに昼の14時くらい。
ローテンブルクから長々と乗ってきた電車から降りると、さっそく我々はドレスデンへと向かうための切符を購入することになる。
しかしここでアクシデントが発生。
駅のホームで券売機を前にした我々だが、券売機の表示のどこにもドレスデン行きの切符が見当たらないのである。
これは一体???
おいおい待て待て、これまで俺たちは様々な苦難をのりこえてきたんだぞ?パリの地下鉄で券を買うのだってかなりしくじったりしてよぉ〜〜〜っ
パリからミュンヘンまで本当に電車で行けるのか?と非常にやきもきしたこともあった。だがそんな歴戦の勇士が一体こんなところで何を手間取っているんだ???
と思いつつ何度もご親切な英語表示の電子券売機に向かってぶつくさ言いながら格闘してみるのだが、やっぱりドレスデン行きの切符が買えないという。
ほんとになぜなんだ。。。
ここでドイツ語に自信ニキというT氏(彼はフランス語にも自信ニキ)がすっと立ち上がり、どこへ行くのかと思えば勇ましく駅のインフォメーションセンターに果敢に立ち向かっていく。
か、格好いいぜ…!
俺にはできへん。。。
ちなみにその間、券売機の前でのほほんとしていた。干し梅を食べてました。
いやぁ〜〜〜うまいんですよね、
皆さんも長期間海外に行くときは干し梅を持参すべきである。(これは声を大にして言いたい)
この頃にもなるとワタクシは若干のホームシックを抱え始めていた。
しばらくして白い紙を一つ携えたT氏が舞い戻ってくる(この時、俺の頭の中じゃ神々しくワーグナーのワルキューレの騎行が流れていた)
ドレスデンへの行き方が書かれた紙だそうなのだが、目を通して見ると…
え、ドレスデンに行くのってこんな駅で乗り換える必要ありますっけ????
グーグル先生は一度もこんなこと言っていなかったような。
そもそもフランクフルトって西側じゃないっけ…
紙面に刻まれた街の名前はどこも方角的に明らかに違う。そもそもドイツ語はあんまり読めんが。
絶対間違いだよ〜〜〜、いくら馬鹿な俺でもわかる。
大学の英語が再々履修の俺でもわかる。(余談ながらその時の俺が履修していたミクロ経済学は”再再再履”だったので当時流行っていた『君の名は』の主題歌と非常によく韻が踏めたものだ)
煽りまくる俺にT氏は、これはドレスデン行きだと確かに駅員が言った、と言い張るので。
うむ。。。そこまで言うのなら。。。
そんで改めてよく紙に目を通して見る。
えーっと、
“Dorsten”
うん。ドルステン…確かに、いや、やっぱ何も違くな…
あっ、あ!これって…
もしかして…
ドルステン!?!?!?!?
いや知らねぇ
どこなんだよそこはよォ。
Dresden
ちなみにドレスデンの正しい綴りはこちらです。
こうしてみると非常に一目瞭然だね。
まあ、ぱっと見気づかないかもだけど。
ちなみにドルステンってのは東部ドレスデンの真反対…ドイツ西部の小さな街だ。
こっちの街に行ったらもはや方向修正のしようがないだろう。
そんな大いなる過ちに気づいてしまった我々は思わずひっくり返り、そのまま疲れも相まって、とにかく変な笑いが止まらなくなってしまう。
ドイツ人にしてやられた。しかももう一度よーーーく、券売機を睨み続けてるとドレスデン行きの表示は初期画面の下の方に、はっきりとあらかじめ表示されていたのであったとさ。
そりゃそうだ〜〜〜〜だって日本で言うところの京都みたいな古都だもの…!
分かりやすいところに表示しておくべきものだよね。。。まさしく灯台下暗しであった。
今までの苦労は一体なんだったんだろ〜〜〜??
ふにゃふにゃのこんにゃく状態になった我々はやっとのことでチケットの購入に成功し、ヘラヘラしながら駅のホームにまっしぐら。
その途中でT氏がバッグから小銭を撒き散らすアクシデントに見舞われたりする。
なんでこの人ロボットじゃあるまいし、チャランチャラン音立てながら歩くの、とか思ってよく見たら小銭を無意識にばらまいている。。。
バッグも中の財布も開けっ放しじゃないですか。。。
ひどく疲れすぎじゃないのかね。
転がり落ちたユーロ硬貨とかを拾い集めてホームのベンチに腰を落ち着かせる。
まぁ、とりあえず落ち着こうぜ。
いやー、でもなんとかドレスデンに行けそうです。
ほんとうに、ええ。なんとか。
しかし。。。
このあとも行く先々にアクシデントが待ち構えていることを、我々はまだ知らない。
②俺たちを置き去りにして遠ざかっていく列車。
いや〜〜〜なんとかなるもんですなぁ。
ドレスデン行きの列車に飛び乗って、あとは優雅に快適な列車内で贅沢な時間を過ごすばかりです。さっきまでの馬鹿苦労が嘘みたいだ。朝早く起きて今日はとにかく濃厚すぎる1日だ。情報量が多すぎると脳みそがパニックを起こすのでやっとの休憩は誠にありがたいのです。
ドレスデンに行くためにはもう乗り換えも必要ないらしく、このまま順調にいけばおそらくドレスデン市内には夕方18時ごろには着くだろう、という予定でした。
呑気に列車で音楽など聞きながら、今日の出来事を絵日記形式で描いていたりすると、いつの間にか列車が停車する。周りの乗客がぞろぞろと降りていく。
何だろう、疲れすぎているからかあまり気に留めませんでしたが、やがて電車の中に人気が微塵もなくなる。
あれ、これ本当にここにいていいのか?
みたいな空気感。
やがてぽつんと席に残る我々を見つけた初老の車掌が近くにやってきて、『降りろ!」とまくしたてる。ドイツ語で。
俺たちは顔を見合わせて、あん????となったのだが駅員は待ってちゃくれない。「あんたたち、(車内放送を)聞いてたのか?」と駅員は呆れ顔だ。
ああ、え、まさか乗り換えですか!????
あ〜〜〜いえ、はい、聞いてませんでした。(どうやら自分たちの乗ってきたやつはドレスデン直通じゃなかった様子だ)
ということで列車から叩き出される我々。
えーっと、、、ここはどこ。。。
ここはライプツィヒ駅という結構大きな駅です。
はてさて、しかし乗り換えとは言っても一体ドレスデンに向かうにはどの電車にのればいいの?降ろすだけ降ろされてどうしたらいいんでしょうか。
と、思った矢先のこと。
たった今我々の降りた列車の後部車両が切り離されて、発進していく…!!!!?
い〜〜、嫌な予感がするなァ、
ふと上の電光表示板を見上げると、ドレスデン行きの文字が・・・輝いて、消えたね。。。
まさか今のが、、、
ああ、やはり、、、
ドレスデン行きの列車でございましたか。。。
非常に、無念である。(二人はお葬式状態)
そして次のドレスデン行きは2時間後という大事態に。
駅のホームで二人して絶句する我々。
ただでさえ遠いドレスデンがさらに遠のいたのだ。
果てさて、一体我々はいつになったらあの街に辿り着くことができるのか。。。
気を取り直して電車を待つこと2時間。
しかし案外あっという間に時間は過ぎて、ようやくライプツィヒ発ドレスデン行きの電車に飛び乗ります。
今度こそ俺たちは凱旋するぞ、と意気込むものの今日一日で本当にたくさんのことがありすぎて脳みそが疲れ果てている我々の会話の話題は、ほとんどがうんちと爆発の話。疲労が限界に達すると脳みそが小学生にまで退化てしまうのは仕方がない。しかも案外ゲラゲラ笑える。
今の俺のIQは5だ。
疲れるとこれがまたさらに下降していき、しまいにはマイナスの値を叩き出すこともしばしば。
そして!ようやく…夜7時半を迎えた頃合い、我々はドレスデンに到達しました!見てくれよな、ほらこの標識、ドルステンじゃないんだぜ!(当たり前)
いやーーーーーしかし、なんと長い道のりだったことか。。。
お外は、、、
暗いですねぇ。
今日少しだけ旧市街を観光できたらなあとか思っていたけど精神的にも時間的にもそんな余裕など微塵もなかったので大人しく速攻ホテルに向かうことに。
夜の街もすごく素敵なんだろうけどさ。
ええ、なんせ今日泊まるホテルは今回の旅の本命と言っても差し支えない、城ホテルなのだ。
城に泊まるって憧れるじゃないですか。
『シュロス・エッグベルク(エッグベルク城)』
えーと、こちらは1800年代に築城された比較的新しくて貴族が建てたお城だそうですが、現在では観光客向けにホテルとして解放されている。
部屋でまったりゆっくりせずしてどうする?
一刻も早く城に向かいたい気持ちが高まっていた。
バスもいつ来るか分からんし、面倒だし、ああだこうだ言って仕方がなくタクシーを使うことに。
おっと…何気にこれが初めてのヨーロッパで乗るタクシーじゃないか??
ぼったくられるんじゃなかろうか、という一抹の不安はあったがドライバーは親切な方で、シュロスエッグベルクに行きたい〜〜と言う我々に「おう、あそこはいいとこだぜ最高だ」的なこと言ってくれて気持ちよかった。
(おっちゃん、泊まったことあるんか?)
そんであっという間にホテルの前だ。
しかしこれはバス使うより楽なんじゃないだろうか?
バスに散々振り回された身としては誠にそう思うのだが。
実にこの後、第三国・ウクライナでも我々はタクシーを重宝するのである。
そしてついに辿り着いた城がこちらですね。
城に着いてしまいましたぁ。
感無量だ〜〜〜、さぁて一体どんな世界が中に広がるのだろうか。
ワクワクしますなぁ。ここに泊まれるなんてディズニーランドもびっくりです。
③最終試練・鍵の開け方。
ま、まさか〜〜〜
城に足を踏み入れてからも我々は試練に直面するとはー…!
くそぅ〜謎解きゲーは嫌いだ(;_;)
俺のIQは現段階で2なのにこんなことやってらんねぇ。。。
何がっていうと、悲しいことにカウンターで鍵を受け取ってからも我々は散々な目に遭う。
まぁ、あらかじめ仕組まれていた試練なんでしょうけど。
(試練が与えられなくちゃブログ的にもつまらんし、これってむしろ感謝すべきなのでは…???)
どういうことかって言うと簡単。
部屋の鍵が開かないのである!
こっちは疲れて死にかけてるってのに何故ヨーロッパの鍵ってのはこう、どいつもこいつも開けにくいんだ。どうなってやがる。
もう旅も中盤を迎えて折り返しに差し掛かっている頃合いだが、振り返ってみると今回の旅は鍵との闘いでもあった。
とにかく、どこもかしこも簡単には開かないのである。
文章での説明が難しいが、日本みたいに右に回しきればガチャっと開いたり、左に回しきれば閉まったりしないのがヨーロッパのホテルの鍵。
もちろん閉まるのは簡単でございますよ。
確か(記憶を振り返る)…多分、右に回すだけじゃなかったか?(それかオートロックだったか、ここへんの記憶が曖昧)
しかし開ける時はなんというかね…
左に差し込んだ鍵を捻り続けながらじゃないと開かないんですよ。
言ってる意味が分からないとは思うが、日本みたいに回し切ったら終わりじゃなくて、鍵を回し続けなきゃいけないの。
言葉で言うだけなら簡単、でも、それが固くてさぁ、
つまり、どこまでひねれば良いのかマジで、そこの感触というか基準がホテルによってやや違うのだ。言ってる意味がわからないならそれでよい。実際に行けばわかるから。百聞は一見にしかず。
毎回ホテルの前で今回のホテルの鍵は開けやすかったな!〜とか言ったり、最初は下手くそだったTくんもだんだん手慣れてきて、やがては“鍵マイスター”を自ら名乗り始めるくらいにまでなっており、初日のパリの時点で既に鍵マイスターの称号を欲しいままにしていた俺としては弟子の成長を見守る老師のような気分であったのだが、しかし、そんな我々は、今回立ちはだかった強敵を前にして、痛切に無力を噛み締めた。
開かない…ひたすら開かない…
俺たちは早くベッドにどかんと寝転がって愉悦に浸りたいだけなのに…。
業を煮やして結局ホテルのカウンターに舞い戻り、長身のドイツ人のお兄さんを連れてくることになった。
いや、これ絶対ドイツ人でも開けるの難しいから〜
やれるもんならやっ…
…いや、まぁ、えーっと、あら、
ひぃ、秒で開けられてしまいましたね〜〜
嘘だ!?とびっくりして顔を見合わせる我々に、お兄さんは「(なんやこいつら)」とでも言いたげなドヤ顔だけ振りまいて、エレガントに、颯爽と去って行く。
そんな後ろ姿を見て僕らは彼のことを真の鍵マイスターと呼ぶことにした。
彼には勝てませんなァ。
まぁそんなことより〜〜〜
本日のお部屋はどんな感じでしょうね!
あーすごい、、、
こんなムーディーなカーテン付きのベッド、初めて見るなァ、、、
保健室以外じゃ見たことがないぜ、、、
でも男二人でダブルベッドをシェアするのにこれ要りますか?(今更)
いらないと思うんだよねぇ。
今までも散々ダブルベッドで熱い夜を過ごしてきた我々だが、またランクが上がってしまった。どうしてくれよう。
もう疲れ過ぎて気が狂い過ぎて、とりあえずベッドに横になるのも良かったのだが、とりあえず冷蔵庫の中身を物色するところから始めるのが旅の流儀でしょう。
ふふ、ビールあんじゃん。
そりゃ飲むの一択ですね。
このシュバルターってビールだが、いやぁ〜これが本当に美味かった。
疲れていたからっていうのもあるのだけど。
ピルスナータイプは日本でもど定番のビールだ。
あれ、これっていわゆる地ビールなのかな。
どこぞに行ってもまず見かけることはなかったので、ドレスデンとかこの地域限定なのだろう。またいつか機会があれば飲んでみたい一品だ。
兎にも角にも疲れてしまいましたわ、さあいよいよ明日はドレスデン市街の探索とまいりたいと思います。
んで、次の更新はいつになるんでしょうかね。
恐らくは6月をまたいで7月とかになる恐れもありますが、また順次更新してまいりたいと思います。もう3年前になろうとしてるので、、、記憶が薄れぬうちに早く更新していきたいもんです。
らべるのヨーロッパ紀行はまだまだ続くのでお楽しみに。
ではでは〜〜〜〜!!